Nerdyな人が増えて来た喜ばしい日々
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夫婦茶碗
著者:町田 康
出版:新潮文庫

大きな太平洋を越えて、更にアメリカ大陸西岸から時差が3時間先の東海岸に来て、そこで27年も生活をしてくると、どうしても日本の地に栄える現代文化に疎くなる。つまり、町田 康は私には聞き慣れない著者だ。まして著書を読むのは始めてだ。

本の題が「夫婦茶碗」となっているから、湿っぽい話なのでは、と思って読み始めたが、嬉しい裏切りを受けた。何もかも可笑しい。真剣な題材を挙げているにも係らず軽いスタイルを著者は選択している。

日常生活や仕事に対する主人公の考察の仕方だけでなく、実際に取る行動も愉快だ。その可笑しさの反面に、夫婦の、それも所帯持ちの男が妻である女との係わりで受ける影響が大きいという主旨で書かれている。しかも、その影響は、夫婦の完全なるスレ違いが起こすもので、チグハグで可笑しい。

財布をはたいて奥さんが欲しいという新しい冷蔵庫を買う。いや、男は買ってやる、という思いで幸せを感じる。勿論、綺麗な洋服とか指輪などを買いたいと思って欲しかった様だが、冷蔵庫という現実的な物が欲しいというから、買う事にする。そして幸せ気分になる。しかし、奥さんが鶏卵入れから鶏卵を取り出す方法に一定の規則がなく、どれが古い鶏卵で、どれが新しい鶏卵なのか分からなくなる。そこで、奥さんに決まった法則、つまり前の列から取り出す様に言う。勿論、奥さんは「アッ、そお」である。遂に、鶏卵の並べ替えが男の日課になる。それに関して話し合いもある。しかし、完全なるスレ違いの話し合いである。それが非常に私には可笑しい。別に鶏卵に限らずとも、こういう事は夫婦の間にはある。それが可笑しいのである。

鶏卵騒ぎが影響して男は頭が変になっている時に、レストランで童話作家を見かける。羽振りが良い様なので、今度は男はメルヘンに凝って童話を書く事にする。勿論、奥さんは「メルヘン?」って感じだ。

遂に男は夫婦茶碗を買って茶を入れて、夫婦のメルヘンを夢見て茶柱が立つのを待つ。そこでこの本は終わる。夫婦のサマを愉快なタッチで書いた本だ。

しかし、夫婦茶碗を買うのはイイが、一方が割れたら面倒じゃないだろうか。私のウチには夫婦茶碗というものが無い。これには原因がある。

もう20年前になるが、帰省した時に河原町三条で私は奮発して夫婦箸というものを買って帰った。夫の箸は深緑の色で飾られ、私のは朱で飾られていた。ところが、私のはスグにサキッチョが折れてアッと云う間に使い物にならなくなった。だから捨てた。夫のは今だ、丈夫に残っていて、今でも夫は使っている。こういう事は必要もなく厭な気がしてくる。だから、まして夫婦茶碗には手が出せない。絶対に買わない。夫婦箸も、御免こうむりたい。
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by nerdy | 2006-01-25 03:50 | 読書
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