Nerdyな人が増えて来た喜ばしい日々
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リヴィエラを撃て 上巻 下巻
著者: 高村 薫
新潮文庫 1992年出版

とても面白くて 引き込まれてしまう本。

後書きは高見 浩氏が書いている。それによると高村 薫嬢はション ル カレの著書を読まれたそうだ。

ジョン ル カレの著書を何冊か私は熱中して読んでいた頃があるので、成る程、少なからず影響を受けているのは確かだと思った。

ジョン ル カレが外務省に勤務した事もあり、それと同時に情報員でもあった経歴が彼の著書を完成させたとすると、もし高見 薫に其の方面との係わりが全く無かったならば その文才はすごい。

アイルランドとイギリスの在り方が生んだテロリスト、香港返還を巡る陰謀、日英米中の警察やスパイ機構の複雑な情報網や騙し合い、守銭奴の国政と其れを隠す為の連続殺人といった内容が暗いにも係らず其所に著者の主張や偏りが目立たずに単に小説として提出して、後は読者の自由にというスタイルが絶妙で、しかも非情に風通しの良い本。
 
そもそも この本を読みたくなったきっかけは、私のブログに投稿して下さるロティさんが「リヴィエラを撃て」の中に登場するピアニストの演奏がポリーニの演奏を表しているという噂がある事を投稿して下さったから。ポリーニ熱が燻っている本なら読まずにはいれない。

登場するピアニストはアイルランド出身で名前はノーマン シンクレア。
ポリーニとシンクレアを既に重ねてしまった私は、上巻 下巻を通して紳士的なシンクレアが登場する度にポリーニが浮かんで来る。演奏だけがポリーニである事を忘れないようにしないと。

金髪で青い目で、急にピアノ界から消えて、しかも独り身で、まず読み始めの頃に私の脳裏をかすめたのはクライバーンだったけれども、それも束の間の像として消えた。

シンクレアの表情や落ち着いた目や身のこなしや柔和な外観、その外観と共存する異質の面、つまり友としてなら最高だけれども敵にまわしたら恐いシンクレアがポリーニと重なる。

ピアノの音や演奏の表現もポリーニを思わせる。ブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調を東京のサントリー ホールで弾く場面を下巻の231ページで文章化している。231ページは読んでのお楽しみ。

ポリーニが弾くブラームスのピアノ協奏曲第2番を私は聴いた事が無いのだけれども 第一番は頻繁に聴いている。しかし第1番と第2番は違うのは当たり前ですが。

小説と現実を同一化するのは滑稽な話だけれども、高村 薫の脳の片隅にジョン ル カレが眠っているならば ポリーニも刻印を残している可能性がある。人の心にインパクトが強いポリーニなので高村 薫にも残像して不思議はない。

本のストーリーよりも1人の登場人物に過ぎないシンクレアを追って読んだ本でした。
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by nerdy | 2009-07-25 13:37 | 読書
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